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わらべうたの数え歌は、どんなのがある?
わらべうた遊びをしながら、数え方について子どもたちに教えたい!
日本の数え方は、「ひとつ、ふたつ…」以外にも、地域によってさまざまです。
小学校に入れば、1・2・3という、世界共通の数字は学べるでしょう。
ですが、数え方のバリエーションは、小学校に上がる前の子どもたちに伝えたい、日本の言葉の文化です。
わらべうたは、地域によって、詞やイントネーションが異なるのも面白いですよね。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
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わらべうたの講師&レクチャーを行った経験から、この記事を書いています。
そもそも”わらべうた”は、子どもたちが、子守りや家の手伝いなど、何かをしながら歌っていたものです。
そして、日本語の話し言葉が、そのまま歌になっているので、イントネーションは、日常の会話にとても近いのが特徴でしょう。
そのため、自分が一番歌いやすい声の高さやテンポで歌えるのが、わらべうたです。
目次
わらべうたの数え歌は地域ごとに違う
![わらべうたの数え歌は地域ごとに違う](https://fukamoko.blog/wp-content/uploads/2024/01/edf1acd5c6576c6d0eac12a8127b3830.jpg)
わらべうたは、その土地ごとに伝わってきたものなので、地域によって異なるのが面白いところです。
方言と同じように、わらべうたにも、その地域の文化が反映されています。
関東であれば「に(二)の し(四)の ろ(六)の や(八)の とう(十)」と、二つづつ数える方法があります。
これが、岐阜だと「にー しー ろっ ぱ とー」とか、「に し ろく はの じゅう」などと異なるのです。
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「ちゅう ちゅう たこ かい な」と、いう数え方もあり、いまだに私は使っています。
数字での数え方
![わらべうたの数え歌数字での数え方](https://fukamoko.blog/wp-content/uploads/2024/01/60ca402a3f8d4904b8db3a0c558d7040.jpg)
世界共通の1・2・3というのではなく、日本独自の数え方は、バリエーションが豊かです。
ひとつ ふたつ みっつ よっつ いつつ むっつ ななつ やっつ ここのつ とお 一つ 二つ 三つ 四つ 五つ 六つ 七つ 八つ 九つ 十
ひー ふー みー よー いつ むー なな やー この とお 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十
数え歌での遊び方
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数え歌で、指折り遊びができます。
まず、両手をパーにして広げます。
数え歌を、声に出しながら、右の親指、左の親指の順番に折っていきます。
「ひとつ」で、右の親指を折る。次に「ふたっつ」で左の親指を折る。
「みっつ」右の人差し指を折る。「よっつ」で、左の人差し指を折る。
この調子で「とお」まで指を折っていくと、グーの状態になります。
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次は、閉じた手を、開いていきます。
「ひー」で左手の小指を立てる。次に「ふー」で、右手の小指を立てる。
「みー」左手の薬指を立てる。「よー」で、右手の薬指を立てる。
さいごの「とお」までやると、両手がパーになるので、元に戻ります。
実は、頭の活性化にもよいので、シニアの方にもおすすめです。
食べ物の数え歌
![わらべうたの数え歌食べ物の数え歌](https://fukamoko.blog/wp-content/uploads/2024/01/20e9eebc469f58b555114a00adb6468f.jpg)
食べ物の数え歌は、地域によって一部が異なっていたり、名称が違っていたりするのが、面白いですね。
いちじく・にんじん・さんしょ…
いちじく にんじん さんしょに しいたけ ごぼうに むくろじゅ ななくさ はつたけ きゅうりに とうがん
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何のことか分かりますか?漢字に変換してみましょう。
無花果(いちじく) 人参(にんじん) 山椒(さんしょ)に 椎茸(しいたけ) 午房(ごぼう)に 無患子(むくろじゅ) 七草(ななくさ) 初茸(はつたけ) 胡瓜(きゅうり)に 冬瓜(とうがん)
他の地域では、六のところがローマというところも。
ローマとは、山口県で春菊のことを言います。
むくろじゅ(ムクロジ)について
正月に遊ぶ羽根つきの羽の先についてる、あの黒い玉が、むくろじゅの実です。
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「ムクロジ」という地域もあります。
漢字で『無患子』と書くのですが、「子どもが患わない(病気ににならない)ように」との願いが込められています。
ちなみに、むくろじゅの実を覆っている橙色の皮は、シャボン玉ができる液体になります。
![知恩院のムクロジについて](https://fukamoko.blog/wp-content/uploads/2024/03/9bbe581194a825b276003d1275a270c2.jpg)
京都の知恩院に、ムクロジの木があり、説明文の掲示もされていました。
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ムクロジュは、黒くて固い実が橙色の皮に覆われています。
いちじく・にんじん・さんしょに…静岡バージョン
「いちじく にんじん さんしょに しいたけ・・・」の、静岡バージョンもあるので、紹介します。
いちじく にんじん さんしょ しそ ごぼうに むかご ななくさ はじかみ くねんぼに とうがらし
無花果 人参 山椒 紫蘇 牛蒡に零余子 七草 はじかみ 九年母に 唐辛子
いもの・にたの・さんまの…
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もう一つ別の数え方を紹介しますね。
いもの にたの さんまの しおやき ごぼうの むしたの なのはな はくさい きゅうり とうなす
芋の 煮たの 秋刀魚の 塩焼き 牛蒡の 蒸したの 菜の花 白菜 胡瓜 唐茄子
ちなみに『唐茄子』とは、かぼちゃのことです。
七の菜の花は、「七草」と歌う地域もあります。
お寺や神社などの数え歌
![お寺や神社などの数え歌](https://fukamoko.blog/wp-content/uploads/2024/01/2c3c659422d4ee67b70eedd3a9e6533c-scaled.jpg)
各地域の神社やお寺など、お手玉などで遊びながら場所を覚えていく、という数え歌です。
関東と、熊本のバージョンを紹介します。
関東
一番初めは 一宮 二は 日光東照宮
三は 佐倉の宗五郎 四は 信濃の善光寺
五つ 出雲の大社 六つ 村々鎮守様
七つ 成田の不動様 八つ 八幡の八幡様
九つ 高野の弘法様 十で 東京 浅草寺/心願寺
熊本
一番初めは 宇都宮 二は 日光東照宮
三は 讃岐の金毘羅さん 四は 信濃の善光寺
五つ 出雲の大社 六つ 村々鎮守様
七つ 成田の不動さん 八つ 八幡の八幡さん
九つ 高野の弘法さま 十は 東京の二重橋
手まり歌での数え歌
![手まり歌での数え歌](https://fukamoko.blog/wp-content/uploads/2024/01/289e777c00b4f519c31984d9d2dc51d2.jpg)
昔は、手まりで遊びながら数え歌を、うたっていたものです。
歌いながら、何かの動作をすることは、意外と難しいですよね。
子どもの頃に遊んでいると、大人になっても忘れないものです。
関東(宇都宮)の手まり歌
芋(いも) 芋 人参(にんじん)
芋 人参 山椒(さんしょう)
芋 人参 山椒 紫蘇(しそ)
芋 人参 山椒 紫蘇 牛蒡(ごぼう)
芋 人参 山椒 紫蘇 牛蒡 麦(むぎ)
芋 人参 山椒 紫蘇 牛蒡 麦 茄子(なす)
芋 人参 山椒 紫蘇 牛蒡 麦 茄子 蓮(はす)
芋 人参 山椒 紫蘇 牛蒡 麦 茄子 蓮 栗(くり)
芋 人参 山椒 紫蘇 牛蒡 麦 茄子 蓮 栗 唐茄子(とうなす)
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唐茄子は、かぼちゃのことです。
熊本の手まり歌
いも(芋)いも いも
にんじん(人参) さかな(魚) しいたけ(椎茸) ごんぼ(午房)
ろうそく(蝋燭) しちりん(七輪) はがま(羽釜) くじら(鯨)
とっぱい(豆腐) ちゅす
※ちゅす→終わりの意味
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地域による違いって、面白いですよね
短い数え歌
![短い数え歌](https://fukamoko.blog/wp-content/uploads/2024/01/af75c581f1f4423d4d3afb0bc65414ed-scaled.jpg)
数え歌は、十(とお)までないものもあります。
わらべうたは、地域ごとに異なる言葉や知恵が、たくさん含まれているのも特徴です。
いちり(一里) にり(二里) さんり(三里) しりしり(四里四里)
一里は4キロのことで、尺貫法ですね。
「つばな」という草を使った数え歌です。
つんつん つばな 一本抜いちゃ くいくいくい 二本抜いちゃ くいくいくい 三本抜いたら きつねにだまされた
数を使わない数え歌
![数を使わない数え歌](https://fukamoko.blog/wp-content/uploads/2024/04/f9b4f23deae7ee500f13c16b8117a245.jpg)
ひとつ、ふたつ…と数で数える以外にも、10を数えるわらべうたがあります。
「だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ」です。
関西では「ぼ・う・さ・ん・が・へ・を・こ・い・た」というバージョンもあるそうですよ。
例えば、子どもに「10まで数えたらお風呂から出ようね」とに言う場合、数を数えられない年齢や、嫌がる時にも使えます。
まとめ:わらべうたの数え歌は地域ごとに違う
![わらべうたの数え歌は地域ごとに違う](https://fukamoko.blog/wp-content/uploads/2024/01/c917cd70de48aaa1dfe4f8cf73f23b6e.jpg)
わらべうたは、遊びを通して子どもたちから伝わってきました。
土地によって、アクセントや言葉が異なっているのも、おもしろいところです。
一人一人違っていて、それがよいのです。
小学校にあがれば、1・2・3という数字を勉強します。
その前に、「ひとつ、ふたつ…」という日本の数え方を、知ってほしいと思います。
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おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に歌える、共通のうたがなくなってしまうのも、寂しいことです。
わらべうたの歌詞は、意味の分からないものが多いですよね。
ただ、子どもたちが歌うことで、伝わってきた文化なのです。
わらべうたの手遊びについても、紹介しています
▶地域によって違う手遊び【わらべうたで指の正しい名前を覚える】
谷川俊太郎さんが編集した「わらべうた」の本(富山房)では、子どもたちの暮らしの中で受け継いでいく大切さが書かれています。
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気になる方は本を読んでみてくださいね