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NPO法人に就職してもよい?向いている人と向いていない人の違い

NPO法人に就職してもよい?向いている人と向いていない人の違い

誰かの役に立つ仕事をしたいけど、NPOで働いても生活できる?

収入が減ってしまうと、家族を養えるか不安…

NPOって「非営利活動」ということは、稼いではいけないの?

このように、NPO法人に転職を検討している人の、判断材料になるような記事です。

ポイント

  • NPOの給料や待遇面についてわかる
  • NPOに向いている人・向いていない人がわかる
  • NPO法人の仕組み・組織体制についてわかる

この記事を書いているのは、Webライターの深海もこです。

認定NPO法人で10年以上の勤務経験があり、ボランティア型NPOでも、

監事として携わっていました。

自身の経験を元にしている以外に、下記のデータを参考にして記事を書いています。

参考情報

一般の企業に比べて、NPO法人の職員の給料は、はっきり言ってかなり低いです。

たとえば、独身で実家暮らしであったり、夫婦共働きであれば、あまり収入面を心配しない人もいるでしょう。

人の役に立つ仕事がしたい!という強い想いがあれば、生活費を見直すことで、問題はクリアできるかもしれません

この記事では、NPO法人に就職を検討している人向けに、実体験を交えてお伝えします

NPOでの待遇面など、実体験を元に説明しているので、参考にしてください。

NPO職員の給与や待遇の実情

NPO職員の給与や待遇の実情

NPO法人で働きたいと思った人は、少なからず「人の役に立ちたい」、「社会を良くしたい」と思ったからではないでしょうか。

ただ、その想いだけでは、生活できません

私の場合、転職してからの2年間は嘱託職員での雇用だったため、収入は以前の半分に…

当時は、やりがいを感じていたので、働き続けるためにできる限りのことをしようとしていました。

ハッキリ言って、一般企業と比べて給与は、かなり低めです。

派遣社員からの転職してから、初めは嘱託での雇用だったため、年収は約半分まで激減しました

始めの数年間は、仕事が終わってからの夜間と休日もコンビニでアルバイトしていたので、休みはほとんどナシ。

ついには家賃を抑えるため、通勤時間が片道1時間半かかる場所に引っ越しまでしました。

最初は、どうしようか、本当に悩みました。

でも、”頑張れば”何年か後には、正職員にしてもらえると。

毎年の昇給面談でも、判断基準は不透明で精神論ばかりの法人でした。

また、就職した当初はタイムカードもなかったため、終電まで仕事していても、残業代は出ませんでした。

部署や職員により、出張の頻度は異なりますが、全く手当はありません。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の2015年の調査によると、正規雇用職員の平均給料は260万円です。

しかし、厚生労働省の職業情報提供サイト【job tag(日本版O-NET)】によると、令和2年度の都内NPO職員の給与は、600万円以上というデータもあります。

引用元:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))

なかには、大幅な処遇改善をしたり、全職員のベースアップ5%の賃上げについて、公式発表をしたNPO法人もあります。

ただし、このようなNPO法人は多くないでしょう

私が働いていた都内のNPOでは、職員の年収は大半が300万円台でした。

しかし、事務局長レベルになると月収50万円以上もらえる場合もあるようですが…

・福利厚生

福利厚生については、NPO法人と言えども、一般企業とあまり変わらず、規定を設けているところが多いのではないでしょうか。

  • 慶弔休暇
  • 夏季休暇
  • 産前産後休暇
  • 育児休暇
  • 介護休暇
  • 賞与(年2回)
  • 交通費支給
  • 資格取得補助金

有給も付与されていますが、完全消化や、買取してもらうのも難しいでしょう。

有給は、退職する際にまとめて使うか、あきらめるかです。

当初は家賃補助がありましたが、途中で廃止となりました。

・業務のデジタル化

それまで勤務していた多くの企業では、デジタル化が当たり前だったため、NPO法人のアナログ状態に、始めは衝撃を受けました。

たとえば、エクセルの使い方を知っている職員があまりいなかったり、ホワイトボードに、一か月の全予定を書き込んでいたり。

さらには、給料の振込を一人が行い、全員分を1件ずつATMと振込用紙に手書きで行っていたという…。

しかも、15時までに間に合わず、給料日に振込されないこともあったり。

今では、ネットバンキングを使っていますが、経理の処理が遅れて、給料日の昼以降に振り込まれる…というのも、たまにあります。

NPO法人でも、テレワークってできるの?

業種や部署によって、テレワークは可能でしょう。

ただし費用もかかるので、少人数だと導入していないところも、多いようです。

私が勤めているところは、コロナ禍でやっと導入し、当初は在宅勤務をする職員が多くいました。

出退勤の記録はどうしているの?

ICカードやモバイルで打刻ができるようになり、テレワークの場合はWebで行えます。

入職当初は、タイムカードはありませんでした。

そのため、遅刻しても、もちろん残業しても給料は変わりません

NPO法人に向いている人・向いていない人

NPO法人に向いている人・向いていない人

NPO法人で働くには、社会貢献したいという意思が強くないと難しいでしょう。

始めは漠然と「世の中のために何かしたい」と思う程度でも、良いと思います。

というのも、私は「仕事にやりがいを持てそう」という理由で入職したからです。

自分が世の中の役に立つことができる、とは思っていませんでした…。

仕事をしているうちに、徐々に気持ちの変化が起こり始めた、という感じです。

ボランティアをしている人にとって、生きがいとなる場、そして居場所があることは、本当に大事なのだと思います。

そして、そのようなボランティアの支えを必要としている人が、少なくないことを知りました。

やりがいを持てるだけではなく、多くの人が関わることで、

少しでも誰かの役に立っているのだな、と実感できるように…

ただ、福利厚生や待遇面を重視している人には、NPOに勤めることはお勧めしません

その場合は、やはり一般企業への就職を検討したほうが、よいでしょう。

新卒でNPO法人に就職

新卒でいきなり、NPO法人に勤めるのは、あまりおススメできません。

それは、研修体制のシステムが確立されていない場合が多いからです。

また、転職してきた人が多く、基本情報は既に身についているため、全くの新人だとしても、求めることが多いように感じます。

先輩たちが指導してくれたらよいのでは?

もちろん、全く教えないわけではありません。

ただ、1人でいくつもの業務を抱えているなかで、新卒の人に丁寧に教えている時間も暇もないのが現状です。

そのため、ある程度は社会経験のある人でないと、継続勤務は難しい場合が多いでしょう。

新卒で入職する人もいましたが、ほとんどは数年で退職しています。

中途採用でNPO法人に転職

NPO法人では、職員の人数はそれほど多くないため、一人に任される業務が1つとは限りません

むしろ、あれもこれもと、ひとりで複数の業務をこなすことは当然、という場合が多いでしょう。

そのため、今までの職務経歴を活かせることもあれば、全く未経験の業務を行なうこともあります。

法人にとっては、さまざまな職種経験を持つ人材が集まることで、業務改善や効率化が図れたり、新たな事業を見出すことも可能です。

一方で、職員にとっても、未経験の業務を任されることで、業務経験の幅が広がることもあります。

知らず知らずのうちに、スキルアップに繋がった、なんてことも。

また、法人にもよりますが、割と年齢が高めでも就職できる可能性は高いでしょう

定年後の再雇用制度により、65歳以上でも勤務し続けている人もいます。

逆に、職員の平均年齢も高くなっていくなかで、後継者の育成を考えているところが、はたしてどれくらいあるか疑問です。

家族や未来設計図への影響

NPO法人は給料が低いため、家族の生活にも影響が出ます

例えば、独身の1人暮らしであれば、家賃があまり高くないところで暮らしたり、外食を抑えたりすれば、なんとか生活はできます。

一方で家族がいる場合、未婚の実家暮らしであれば、家賃や食費の心配は一人暮らしより少ないかもしれません。

もし、扶養家族がいる場合は、よく相談した方が良いでしょう。

旦那より奥さんの稼ぎがよいと、チクチク言われるという職員は割と多く、退職率も高いです。

これから結婚の予定があったり、子どもがいる場合は、「将来的に不安だから、退職せざるを得ない」と、去っていく人も少なくありませんでした。

また、親と一緒に同居している場合、家計を支えているのが自分だけであれば、よく検討したほうがよいでしょう。

年金を受給していたとしても、介護が必要になった場合は、時短で働けてたとしても、収入はさらに低くなってしまいます。

NPO法人のしくみについて

NPO法人のしくみについて

そもそもNPO法人って、企業と何が違うの?

非営利活動法人ということは、収益を上げずに給料は払えるの?

まず大前提として、NPO法人は、それぞれにミッションを掲げています

よく勘違いされるのが「非営利活動法人」だから、利益を上げてはいけないのでは?と思われていること。

『利益を目的としていない』だけであって、利益は出してもよいのです。

利益がないと、職員の給料も支払いできません。

たとえば、株式会社の場合、”株”は株主に還元されますよね。

NPOの場合は「社会貢献をすること」、つまり”社会に還元する”ことなのです。

NPO法人の主な収入源は、以下のとおりです。

主な収入源

  1. 自主事業収入
  2. 業務委託費
  3. 会費
  4. 寄付金
  5. 助成金や補助金

一般的にNPO法人では、理事や監事は無給です。

社員とされるのは、その組織の正会員の人たちであり、年に一回の総会が意思決定の場となります。

つまり、NPO法人で働いている有給職員が社員、ということではありません

NPOでは、一定の基準をクリアすれば、認定NPO法人として活動できます。

それにより、その団体に寄付した人は、税制上の優遇措置が適用されます。

現在、NPOとして登録されているのは50,105団体です(2023年10月31日時点)。

そのうち、認定または特例認定されているのは1,277団体しかありません(2023年12月現在)。

私がNPOで働き始めた10年前は、200団体程度だったので、だいぶ増加してきました。

逆にいうと、それだけ社会ではNPOの活動が必要とされている、

ということではないでしょうか。

就職を考えているNPOが特定になっているかどうか、調べたい場合は、内閣府のNPOページに情報公開されているので、確認してみてください。

内閣府のNPOホームページ

本業以外に、ボランティア型NPOで監事を担っていたことがあります。

その団体では、全員がボランティアとして活動していたため、給与の支払いは全くありません

ただ、社会のためにできること&したいことの目標を同じにした仲間で、一緒に活動していた団体でした。

・NPOの就職前にチェックしたほうがよいこと

NPOの就職前にチェックしたほうがよいこと

当然のことながら、NPO法人が掲げているミッションに賛同できるかどうかは、重要です。

社会貢献が目的でも、さまざまな活動団体があります。

自分が同じ考えをもって、課題解決に取り組むことができるかどうか?が、大きなポイントです。

可能であれば、法人の経営者インタビュー記事はもちろん、可能であれば、SNSなどもチェックするとよいですよ。

SNSでの判断は難しいと思いますが、発信者の言動やコメントの内容によって、従業員を大事にしているな、と感じられる場合もあります。

逆に、業績や功績ばかりを自慢して、職員を労うことをしない経営陣もいます。

職員がハッピーでない職場は、いくら良いことをしていても、うわべだけだと捉えかねられません

・NPO職員の副業

副業については、一般企業と同じように、公に認めているNPO法人もあります。

副業を行うことについては「本業に活かせることもあるだろう」ということで、認められるようになりました。

そのような考え自体は、良いことだと思いますが、一方で副業をしないと生活が厳しい職員が多いのも事実です。

副業として、Webライターを始めて、多少の収入を得られました。

そのため、少しだけ気持ちにゆとりができるようになった気がします。

ただし確定申告は忘れずに、自分で行なうようにしましょう。

・副業以外で生活費をカバーする方法

NPO法人の給料は低いため、副業するのが一番手っ取り早いかもしれません。

ただ、本業に支障をきたしたり、家族の状況によって副業が難しい場合もあるでしょう。

コロナ感染拡大中は、給料が支払われない危機もあったため、さらに生活費を見直すことに…。

以下の節約術は、私や同僚が実践したことをまとめました。

節約術

  • 携帯会社を大手から格安スマホに切替
  • 家賃が安めの場所に引っ越し
  • シェアハウスに入居
  • お昼はお弁当を持参
  • 飲み会を減らす
  • 断捨離して不要なものを買取してもらう
  • ポイ活

職員以外でNPOに関わる方法

職員以外でNPOに関わる方法

ミッションには共感できるけれど、収入面を考えると職員になるのは、

ちょっと考えてしまうな…

まずは、その法人の会員になってみるのも、アリです!

ボランティアとして関わったり、会員として活動しているなかで、法人の内部事情が分かることもあるでしょう。

NPO法人の職員でなくても、法人の会員制度などを利用して、自分なりの社会貢献活動を行なっている人も多くいます。

ボランティアで仲間を増やしたり、その団体に寄付することで、関わりを持つこともできます。

それから職員として働き始めても、遅くはないでしょう。

「社会貢献ができる仕事をしたい!」という思いだけで、生活はできません

収入が低いため、「将来設計に支障をきたしてしまう」と、離職していくスタッフを多く見てきました。

本当に自分が収入を得る場として、NPO法人で良いのか、じっくり検討することをおすすめします

なお、よく「有償ボランティア」という言葉を耳にしますが、そもそもボランティアは無償の活動のことです。

「有償」とつく時点で、それは体のいいアルバイト、ということです。

ボランティアの活動においては、全くの手弁当か、数千円程度の交通費支給が普通です。

まとめ:NPOへ転職するために抑えておいた方がよいポイント

NPOへ転職するために抑えておいた方がよいポイント

NPOに転職するにあたり、下記の項目に当てはまる人は、よく検討することをおすすめします

検討したほうがよいチェック項目

  • 福利厚生、待遇面を重視している
  • 家族から収入面について懸念されている
  • 将来設計において金銭面で不安がある

逆に、下記のような要件を満たしていて、ミッションに共感できるのであれば、前向きに検討してもよいでしょう。

NPOで働いてもよいと思えるポイント

  • 夫婦共働きで、相方の収入がよい
  • 独身で実家暮らし
  • 副業で安定した収入を得ている
  • 家族の理解が得られている

事前にできるだけ、NPOについて調べたり、可能であればボランティアで参加することを、おすすめします。

社会貢献を目的としているNPO法人で、一番大事なのは「人」です

もちろん、寄付してくれる人も大事ですが、ミッションに共感してくれる人が多いほど、社会貢献活動が広まるかどうかが決まってきます。

それには、まず働いている職員全員が、同じ目標に向かっていることが大切です。

また、就職しようとしているNPO法人について、収入面だけではなく、ミッションも含めて「自身が納得できるかどうか」も重要なポイントでしょう。

就職前に、NPOの仕組みや法人の事業など、よく調べておけばよかったと思っています。

NPO法人の経営体制は、それぞれ異なり全てのNPO法人が、この記事に当てはまるわけではありません

自分で納得いくように、十分リサーチしてください

私の場合は「社会貢献」を掲げていながら、従業員がアンハッピーであることに矛盾を感じて、離職しました。

一日のほとんどの時間を費やす職場で、自分がまず

幸せでいられるかが、大事なポイントです!

就職・転職をするにあたり、ご家族ともよく話し合ってみてください。

NPO法人の仕事は、社会をよくするために、なくてはならない仕事です

ただ、年齢が高めの人も多く働いていることが多いので、「今」でなくても良いかもしれません

じっくり考えてから、検討してみてくださいね。

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